香衣の仮母屋

二ノ宮香衣が書く韓国ドラマ≪宮≫専門の二次小説です。

サンプル記事

クローバーの花言葉

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私なんかよりも多くの時間を過ごしてきた彼女。

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そこには私の知らない二人だけの思い出がある……。

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彼女の方がまだ私の知らないあなたを知っている。

それは仕方がないって分かってる……。

でも……。


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だから……。
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だから私はクローバーを贈ります。

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ねぇ、知ってる?
クローバーの花言葉を……。


四つ葉は《幸運》《私のものになって》

でもね?

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クローバーの花言葉は《私を思って》《幸運》《約束》

そして……《復讐》……。

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だから私はクローバーを贈ります。


★★★★
18~20話のチェギョンのお話でした。

チェギョンがどのクローバーの花言葉をこめて、誰にクローバーを贈ったか?

それは読み手の皆様の気持ちしだい……。

限りなく深い青

シン君とヒョリン。
朝から二人が一緒にいるのを見てしまった……。


そのせいか、今日は何もかも上手くいかない。


数学は抜き打ちテスト。
水彩画は思うように色が作れない。
極めつけは体育で足を捻ってしまった。


こんなの湿布貼っておけばすぐに治る。
少し前までは保健の先生に湿布貼って貰っておしまいだったのに……。


ユン医師が来るのを保健室でひたすら待つしかない。


「……ついてないなぁ……。」
ボソッと呟いてみたって状況は変わらない。


私はただ不機嫌そうなシン君の隣で左足だけ素足を晒している。


さっきからシン君の携帯が頻繁に着信を告げる。
知ってる。その着信音は彼女からのメール。




「……さっきから……携帯、鳴ってるけど……?」
「知っている。」
「……見なくて、いいの?」
「お前には関係ない事だ。」
「………私なら大丈夫だから……戻って……。もうすぐ授業、始まるよ……。」
私の言葉を遮るようにまた携帯が鳴った。
「チッ。」
きっとこの休み時間も会う約束してたんだろうな……。


「……ごめんなさい……。」
私は謝ることしか出来ない……。
「何故お前が謝る?」
「………ごめんなさい………。」




ユン医師の診察の結果軽い捻挫で、湿布を貼って貰って包帯で固定して貰った。
ユン医師には早退するように勧められたけど、私は最後まで授業に出る事にした。
ううん、最後までどころか……。


「シン君、あの……。実はさ……水彩画の時間、絵が終わらなかったの……。上手く色が出なくって……。それで……あの……。その……放課後……少し残って……終わらせたいの……。いい……?」
シン君は一つため息を吐いた。


そりゃそうだよね?
妃宮が居残りなんて……格好悪いもんね……。


「……ごめんなさい……。」


そう呟くしか出来ない自分が悔しい……。






「ねぇ、ホントにいいの?」
一緒に残ってくれるって言うガンヒョン達の申し出を断って、一人きりの教室で私のイメージする色を作る。


限りなく深い青。
紺ではない深い青。
どこまでも吸い込まれてしまいそうな青。




いっそ私が吸い込まれてしまいたい。
私が居なくなればシン君は彼女と一緒に居られる……。
私が居なくなれば彼女はシン君と一緒に居られる……。


二人の世界に私は入る余地はない。


でもーーー。


もう、私からシン君の手を離すなんて出来ない。
だってこんなにもシン君が好きだから……。


だから吸い込まれてしまいそうな程深い青を作る。
ホントに吸い込まれてしまいそうな深い青を……。




辺りが暗くなり始めた頃ようやく思う色が出来た。


そこからようやく絵の仕上げに入る。




「出来た……。」
絵が完成した時にはもうすっかり暗くなっていた。


「……何時間待たせる気だ?」
「?!」


心臓が口から飛び出しそうな程驚いた。


「な、な、なんでぇぇ??!!」
「さっさと片付けろ。帰るぞ!!」


制服のまま、鞄もそのままのシン君が居た。


「……なんで……?」
「………帰るぞ。」
「…………。」
「……お前が……消えてなくなりそうで怖かった……。だから……その……見張りだ…。」
「…………。」
「……一応……お前の……保護者、だからな……。」
「…………。」
「その青……綺麗だな……。」
「……ありがとう……。」






翌日、学校中で騒ぎになっていた。
昨日の放課後皇太子が秘密の恋人ミン・ヒョリンと完全に別れたって……。

私のお気に入り

《お日様に翳すとキラキラと光るガラス玉。
キラキラ、ピカピカの髪飾り。
飾りのついたピン留め。》

私のお気に入り。

パパに買ってもらった……あれ?
ママだった?
ううん、おじいちゃん?
あ、おばあちゃんだったかも……?

とにかく!

誰かに買ってもらった大好きだったアニメのキャラクターが描かれたブリキ缶。
中には数枚のクッキーが入ってて……。

クッキーはチェジュンと半分ずつ食べたんだったかなぁ?
私が全部食べたんだったかなぁ?

それは置いておいて……。


このブリキ缶に入ったクッキーを買ってもらった時。
私のお気に入りを全部この缶に入れておこうって決めたの。


《花柄の紙切れ。
ピンクのクレヨン。
おばあちゃんに買ってもらったリップクリーム。》

全部私のお気に入り。


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外出から戻ると。
明らかに機嫌の悪そうなチェギョンが僕を出迎えた。

僕はカフスボタンを外しながらソファーに座ると、
チェギョンは僕の前で腕を組んで立った。

「……私、思い出したの。」
「……な、なにを……。」
「なにって、あのブリキ缶の事に決まってるでしょ?!」
「………。」

《あのブリキ缶》と言われても……。
そのブリキ缶を見つけたのは……半年近く前の事だ。

その上この半年の間に様々な事があり……。
《あのブリキ缶》と言うほど記憶に新しいわけじゃない。

「あのブリキ缶が……どうしたんだ?」
「あれは、私のお気に入りを入れておいたの。」
「……らしいな?」
「あの時。シン君にあのブリキ缶をあげた最後に逢った日。ブリキ缶を見せた時。シン君がなんて言ったか思い出したの!」
「……ほう……。で……僕はなんて言ったんだ?」
「……『なんだよ、このガラクタ。まるでカラスみたいだな?光るものばかりで……。』って!!」
あぁ………やっぱり…。
やっぱり……僕は僕だな……。
少し……自分でも呆れた……。
「シン君はあの時から意地悪だったのね!」
「……そんな昔の事を………。」
「『そんな昔の事』?そんな言葉で済ませようっていうの?!」
「……じゃあどうすればいいんだよ?」
僕は目の前で腕を組んで立つ妻を抱き上げた。
機嫌を直してもらおうと……。

ズキン!

9月に負傷した傷が痛んだ。

「っつ!!」

突然の痛みに二人+半分の体重を支えられず……。
僕はチェギョンを庇いながら後ろのソファーに背中から倒れた。

「ヤダッ!!シン君痛むの!?大丈夫!?」
痛みに少し顔を歪めた僕を心配そうに見つめる妻の顔は怒りではなく、
眉を下げ、今にも泣き出しそうだ。

「大丈夫だ……。少し……痛んだだけだ……。」
「………。」
「今日のように寒い日は傷が疼くんだ。大丈夫だ。それよりお前は大丈夫だったか?」
チェギョンの身体には今、僕たちの子供が宿っている。
こんな事でその小さな小さな生命を失う事にでもなったら……。
僕は後悔しても後悔し切れないだろう。
「うん、平気…。っていうか……シン君が心配なのはお腹の子でしょ?」
チェギョンはそう言って頬を膨らませた。

相変わらず表情がコロコロ変わる。


「なあ?」
「ん?」
「……今、この缶にお気に入りを詰めるとすれば何を入れる?」
「そうね~………。シン君の写真でしょ?あとはシン君から貰った手紙でしょ?私が描いたシン君のスケッチも入れちゃおうっと!それから……」
「全部【僕】のものなのか?」
「うん、だってお気に入りを詰めておくんだもの。シン君は?シン君だったら何を入れるの?」
「そうだな……シン・チェギョンでも入れておくか。」
「ほぇ?」
「お気に入りを詰めておくんだろ?」

驟雨

湿った風が吹いている。
次第に空が濃いグレーへと変わっていく。


今日の映画科の3時間目は写真の実習で校内を撮っていた。
インたちと離れ、自分のペースで撮りたいと思うものを撮りつづけた。



裏庭で美術科に在籍する女子生徒を見つけた。
彼女のクラスも実習なのだろう。

一人で一心不乱にキャンバスに筆を走らせる真剣な眼差しをカメラに収めた。
全くこちらに気づいていない。


パッと一瞬何かが光った。

空を見上げるとポツリポツリと雨粒が落ちてきた。
そして暫くしてから雷鳴がする。

雷が苦手なチェギョンは……
雷にも気づいていないようだ。

……その集中力は他で使えよ。

思わず口角が上がるのを自覚する。


再び稲光が空を走る。
「キャーーーーーッ!!」

チェギョンは悲鳴と共に耳を塞ぎ、目をギュッと瞑りその場に踞った。

雨脚が一気に強まった。


気がつけば僕はチェギョンの元に走り出していた。

キャンバスをイーゼルごと持ち上げ、もう片方の手でチェギョンの手を取る。
一番近い軒下に逃げ込んだ。



「シ、シ、シン君?!……えっ?なんで?…サボりっ?!」
「……バカ、写真の実習だ。」
肩に掛けたカメラを見せた。
「……絵は、大丈夫、か?」
雨に濡れたせいでチェギョンの水彩画は少し色が滲んでいた。
「……何とか、しないとね……?」

ピカッと光る。
チェギョンが自分のエプロンを握り締める。

一段と雨脚が強まった。

屋根の下に居ながらも、
地面に跳ね返る雨水で足元が濡れていく。
僕たちが雨宿りする体育倉庫は鍵が掛かっていて中には入れない。
このままジッと待つしかない。


光るのと同時に雷鳴が轟く。

「いや~~~っ!!雷、キライーー!!」

そう叫び、僕にしがみつく。

チェギョンの柔らかい香りがフワリと薫る。
躰の奥が痺れて行く……。

僅かに震える細い背中に手を廻し抱きしめた。



僕のこのドキドキが……聞こえてしまうかな?


「……僕が……居る。安心しろ……。」

チェギョンの黒髪にキスを落とした。

「ヤ~~~ッ!シン君、雷、なんとかしてぇぇ~。」

……悪いが………さすがにそれは無理だ……。


暫くして雨は上がった。
雷も止んだ。

チェギョンは恥ずかしそうに躰を離した。

雲間から光りが差し込む。

「天使の梯子だ……。」
そう呟いたチェギョンの手を掴んだ。

そうしないと、僕の前からチェギョンが消えてしまいそうで……。

「??シン君?なに?」
「えっ?あ、ああ。いや……。」
「あっ!見て!!シン君、虹よ!」
「ああ。」

チェギョンと目が合った。

次の瞬間……。

そっと唇が重なった……。










翌日。

「今日、殿下と妃宮様。揃って熱出して休みらしいよ。」
「昨日、雨に打たれたからねぇ。」
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